2025.06.14

イベントを活用した「早期囲い込み」戦略

1. はじめに

新卒採用において、優秀な学生をいち早く確保することは非常に重要です。特に、大手企業と比較して知名度が低いベンチャー企業にとっては、選考が本格化する前の段階で学生との関係を築く「早期囲い込み」が成功のカギとなります。

本記事では、新卒採用を強化したいと考える経営者向けに、イベントを活用した早期囲い込み戦略を、定量データを交えながら解説します。


2. 早期囲い込みの重要性

2-1. 学生の就活スケジュールの変化

年度6月時点での内定率10月時点での内定率
2019年50.1%91.2%
2020年55.3%93.5%
2021年60.4%95.1%
2022年63.7%96.3%

(出典:リクナビ 就職白書)

年々、6月時点での内定率が上昇しており、優秀層は本選考が始まる前に内定を獲得しています。つまり、企業が6月以降に採用活動を本格化させるのでは遅く、早期に学生と接触する必要があります。

2-2. 早期囲い込みのメリット

  • 他社に先んじて優秀層と接点を持てる
  • 学生の志望度を高め、選考辞退率を下げる
  • 企業の認知度を向上させ、母集団を拡大できる

3. 早期囲い込みに効果的なイベントの種類

3-1. インターンシップ

インターンの種類実施時期参加学生数の傾向
1day仕事体験6〜9月多い(100〜500名)
短期インターン(2〜5日)7〜10月中程度(50〜200名)
長期インターン(1ヶ月〜)通年少数精鋭(10〜50名)

インターンの活用ポイント

  • 1day仕事体験:多くの学生と接点を持ち、企業の認知度を高める
  • 短期インターン:興味を持った学生を選抜し、企業理解を深めてもらう
  • 長期インターン:採用直結型として、優秀な人材を囲い込む

3-2. 交流会・座談会

開催形式目的参加人数の目安
OB・OG座談会企業のリアルな話を伝える10〜30人
経営者との交流会ビジョンを直接伝える20〜50人
業界研究セミナー企業ブランド向上30〜100人

交流会では、学生が企業に親しみを感じることで、志望度の向上につながります。

3-3. ハッカソン・ビジネスコンテスト

イベント形式対象学生目的
ハッカソン理系・エンジニア志望技術力の見極め
ビジネスコンテスト文系・企画職志望思考力の評価

競争環境を作ることで、意欲的な学生を引きつけ、優秀層を選別できます。


4. 早期囲い込みを成功させるためのポイント

4-1. イベントの継続的なフォローアップ

フォロー施策実施タイミング効果
定期的な連絡イベント後1〜2週間志望度維持
OB・OG面談イベント後1ヶ月以内企業理解向上
社員との個別面談3〜6ヶ月後内定承諾率向上

イベント単発ではなく、継続的な接点を持つことが重要です。

4-2. イベント参加者のデータ活用

指標意味
参加率イベントの集客力を測る
その後の選考通過率学生の質を評価
内定承諾率採用成功度を示す

データを分析し、どのイベントが効果的かを測定することで、PDCAを回せるようになります。


5. まとめ

イベントを活用した早期囲い込み戦略を成功させるためには、以下のポイントを意識することが重要です。

  1. 早期に学生と接触し、競争を有利に進める(6月前から動く)
  2. インターン・座談会・コンテストを組み合わせる(複数チャネルで接触)
  3. イベント後のフォローを徹底する(継続的な関係構築)
  4. データ分析で効果を測定し、改善を続ける

これらを実行することで、優秀な学生を確保しやすくなり、新卒採用を成功に導くことができます。